魚油中のEPAとDHA、どう理解していますか？具体的に何なのでしょうか？小さな詳細を探求すると、その中には多くの皆さんが無視しているか、全く知らないかもしれない情報があります。魚油中のEPAとDHAの比が変わると、体への効果も全く違ってくることを知っていますか？どのように選べばいいでしょう？今日は、これらの魚油中のEPAとDHAについて詳しく説明します！
目次
魚油中のOmega-3（EPAとDHA）とは何ですか？EPAとは何ですか？DHAって何？EPAとDHAの比率とその効果を知ろう差異のある心血管管理皮膚保護抗うつ視力保護認知障害と認知症妊娠中の女性と胎児にとっての重要性総括
導入
ほとんどの人々は普段から健康補助食品を取る習慣があります。魚油、プロバイオティクス、カルシウム等、これらは市場で何年も人気があります。特に魚油は長年にわたって利用されてきましたので、Omega-3の含有量を如何に選べばいいかは皆さんが理解していることと思います。普段、魚油はOmega-3（EPAとDHA）を豊富に含んでいることをみなさんは聞いたことがあるでしょうが、実際にEPAとDHAが何であるか、またこれまで考えたことがない、または全く知らなかったかもしれない細かな詳細を理解していないかもしれません。EPA:DHAの比が違うと、体への効果も全く違ってきます。それらをどのように選べばいいか、感じをつかむことができるでしょうか？今回、魚油中のEPAとDHAについて、詳しく考察していきましょう。
魚油中のOmega-3（EPAとDHA）とは何ですか？
脂肪酸は飽和度により分類され、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分かれます。不飽和脂肪酸には、単不飽和脂肪酸と多不飽和脂肪酸があります。魚油中のOmega-3は多不飽和脂肪酸の一種であり、下図のように分類されます。
EPAとは何ですか？
EPAはOmega-3脂肪酸の一つで、その正式名はEicosapentaenoic acidです。簡単に言うと、炭素20個にオメガ3で5か所に二重結合がある脂肪酸で、一般的には（C20:5, ω-3）の表記です。
DHAとは何ですか？
DHAもまたOmega-3脂肪酸の一つで、その全名はDocosahexanoic acidで、炭素22個に6つの二重結合がある脂肪酸です。一般的には（C22:6, ω-3）の表記になります。以下に、ラテン語とギリシャ語の接頭辞を組み合わせた体系の名前を説明します。Mono=1、di=2、tri=3といった感じで、EPAの正式名となるEicosa=20、Penta=5；またDHAの正式名となるDocosa=22、Hexa=6となります。
EPAとDHAの比率の違いとその効果を理解していますか？
通常、魚油中に主にある2つの脂肪酸、EPAとDHAは、EPAは心血管の保護と血栓の予防に役立ち、DHAは脳と目の健康に関していることを皆さんは理解しているでしょう。しかし、EPAとDHAの比率が違うと全く異なる効果が出ることを知っていますか？さらに、異なる症状の補充にはそれぞれEPAとDHAの含有量が豊富な補給が必要です。以下の説明では、6つの一般的な状況について補足説明します[1]。
心血管の管理
心筋梗塞と急性死の確率
11の調査からまとめられた情報によると（そのうち2つは魚介類の摂取、残り9つは魚油サプリメントの使用）、魚油中のEPA:DHAの比は3:2から1:2であり、平均介入期間は20ヵ月です。その結果、心筋梗塞の発生率を30%低下させる効果があり、急性死の発生率も30%低下させ、全体的な死亡率を20%減らすという結果が示されています[2]。
トリグリセリドの低下
Omega-3脂肪酸estには、空腹時または食後のトリグリセリドを低下させることが一つの主な効果として知られています。EPA、DHA、またはその両方を組み合わせても、空腹時のトリグリセリドを14-35%下げることが可能です。いくつかの研究では、DHAの効果の方がEPAよりも優れていると考えられていましたが、実際にはその差は明確には出ていません。
血圧改善
Omega-3脂肪酸には、血管の内面の改善と血圧の改善につながる効果があります。DHAは、色々な研究モデル（動物または人体）において、収縮期血圧と拡張期血圧の両方にEPAよりも優れた効果があることが示されています。また、血管の内面の機能を改善する面でもDHAの方が優れています。しかし、EPAとDHAのどちらも動脈硬化に対して抗体反応があることを留意する必要があります。
心臓の脈拍数の調整
心臓の脈拍数が増えることは心血管疾患の死因となる重要なリスク因子の一つです。2005年の研究では、健康な成人1600人以上にEPAとDHAを含むOmega-3を1日3.5グラム以上2週間以上摂取すると、心拍数が有意に下がることが示されました。また、別の研究では、DHA群において男性の肥満者で心拍数が減少する効果が観察されました[3]。
💡全体的に見ると、心血管を予防する観点からは、EPA:DHAの比率を3:2から1:2に選ぶことができます。ただ血圧を改善したい場合は、DHA含有量が比較的多い製品を選べます。
抗炎症
脂肪酸を多く摂取すると抗炎症効果があります。現在の結果では、EPAとDHAは抗炎症効果において明らかな差はなく、一般的には魚油の比率がEPA:DHA=3:2で実験研究が行われています[4]。
💡魚油サプリメントにより抗炎症効果を望む場合は、EPA:DHA=3:2の比率を摂取することが推奨されます。
抗うつ
現在のEPAとDHAに関する抗うつ研究は、ほとんどが疫学的な結果に基づいています。多くの推測は、EPAの方がDHAよりも抗うつ効果があることを示しています[5] [6]。現在の証拠では、EPA 2 g/日は、大人の重度うつ病の状態への改善効果があります[7] [8]。
💡抗うつ効果を得るためには、EPA含有量が高い製品を選ぶことができます。
視力保護
Omega-3脂肪酸、特にDHAは、眼の網膜内で濃度が特に高いため、脂肪酸と眼に関する疾患についての広範な研究が行われています。疫学的研究の結果では、魚およびナッツの摂取の増加は老化による黄斑変性のリスクを減らすのに役立つことが明らかになっています[9] [10]。
💡視力保護には、DHA含有量が高い製品を選ぶことができます。
認知障害と認知症
疫学的研究では、Omega-3の摂取量が増えると、思考力が向上し、認知症のリスクが下がることが示されています。また、研究でアルツハイマー病の患者の脳内DHA濃度が低下していることが確認されています[11] [12]。さらに、血清中のDHA濃度は予測因子として認知症の早期発見にも役立ちます。
2012年の研究では、中程度の認知障害を持つ高齢者を対象に、EPAが多いグループ、DHAが多いグループ、そしてOmega-6脂肪酸が多いグループに分け、うつ症候群、生活の質、及び認知機能の改善を調査しました。その結果、うつ病の評価では、EPAまたはDHAグループがOmega-6脂肪酸グループよりも優れていましたが、言葉の流暢さ及び身体健康状態の自己評価については、DHAグループだけが明らかな改善を示しました[13]。
💡認知障害を予防または緩和するためには、DHA含有量が多い製品を選ぶことができます。
妊娠中の女性と胎児
研究によれば、飲食習慣でOmega-6脂肪酸とOmega-3脂肪酸の比率が高いと、産後うつ病の発生率が高くなるとされています[14]。また、Omega-3脂肪酸についての妊娠中の女性と胎児の健康に関する研究は非常に肯定的で、臨床研究では、妊娠中にOmega-3脂肪酸を補給することで、早産のリスクや低体重出生のリスクが減少することが明らかになった[15]。
そのため、世界中の母子関連学会では、妊娠中にOmega-3脂肪酸を補給することを推奨しています。また、妊娠中期になると、胎児は十分なDHAを生成できなくなるため、多くの研究では、妊娠中期や授乳期間中に母親がDHAを補給することが新生児の認知発達に寄与し、眠りを改善し、IQを向上させるのに有効であると結論付けています[16] [17]。
💡Omega-3